設定
AOMEI Backupperはバックアップ定義作成時にグローバル設定が適用されるようになっています。ウィンドウ上部のSettingsから入って、バックアップファイルの圧縮率、分割、メール通知、セクタバイセクタでバックアップするか、VSS(ボリュームシャドウコピーサービス)の使用の有無を設定できます。
必要な設定をしてOKとしておくとそれがグローバル設定となってバックアップ定義作成時に適用されます。
また、バックアップ定義作成時にBackup Optionsからも設定に入ることができます。
ここでの設定は、作成中のバックアップ定義にだけ適用されますが、Save to global settingsにチェックを入れることで、グローバル設定として保存することも可能です(バックアップ時のコメント、バックアップの暗号化以外)。
Make an Exact Backup
セクタバイセクタでバックアップを取る場合、こちらにチェックをします。Make an Exact Backupでバックアップしたものは、復元時に最終確認画面で、Sector by sector restore のチェックボックスが出ます。
ここにチェックをして復元すると、セクタバイセクタでの復元が行われます。
当然、パーティションをエディットするなど相反する設定をすれば、セクタバイセクタでの復元はされません(項目が非表示になる)。
セクタバイセクタの設定は、定義作成以後変更も確認もできない(復元のチェックボックスで判断できる程度)ようで、途中でセクタバイセクタをやめてバックアップしたい場合は、新しく定義を作り直すのがいいようです。
問題点
テストする環境が悪いのか、操作が悪いのかは分かりませんが、上手く動作しなかった部分について。通知機能
バックアップが終了したり、エラー発生時等にメール通知する機能のようですが、いくらテストしても"Sorry, failed to send the test message."とエラーが出て送信できません(AOMEIのサーバへは通信しているようですが…)。Make an Exact Backup
この項目にチェックを入れておけば、セクタバイセクタでバックアップされるとのことですが…。実験してみました(Windows7x86での検証です)。まず、実験用のドライブの未使用セクタに"test"とテスト用の文字を書き込んでおきます。
そして、セクタバイセクタでディスクバックアップ後、別のドライブに(クイックでない)フォーマットをした後そこに復元し、"test"を書き込んだ場所を見てみます。
元の状態とは全然違うのが分かると思います。"test"どころかその他のデータも全然違います。この"FILE0"とは、MTF(マスターファイルテーブル)のエントリの先頭ということだそうですが、どういうことでしょうか。
因みにセクタバイセクタでないバックアップファイルを復元すると、
このように00で埋められています。フォーマットで00で埋められ、復元時には未使用セクタなのでここは変更されていないのだと思われます。
試しにVSSを使用しないようにオプション設定をして、セクタバイセクタでバックアップ。
そして、同様に復元してみると、
元のデータのまま、復元されました。思い描いたセクタバイセクタの動作です。
色々試した結果、どうやらVSSを使用すると、正常にセクタバイセクタでバックアップできない様子です。まぁデータが変わるのは未使用セクタなので、中身のファイル自体には影響はないようですが…。
VSSを使用するにしていても、Volume Shadow Copyのサービスを直接停止(AOMEI Backupperが自動的に開始させるので、それを防ぐために更に無効に設定)させた場合も、正常にバックアップができました。
AOMEI Backupper Standard 2.0.1においては、セクタバイセクタにする場合、VSSを使用しないようにするほうが良さそうですが…検証方法が間違っている可能性もあります。
ディスクやパーティションのクローンでも同様ですが、こちらはグローバルセッティングのVSSを使用しない設定は反映されず、必ずVSSを使用してしまうようです。
なので、サービスのVolume Shadow Copyを停止して無効にすることでVSSを使用しない動作にすることができます。
タスクトレイアイコンのフリーズ
スケジュールを設定している時、指定時間にAOMEI Backupperが起動しバックアップが始まり、タスクトレイにアイコンが表示されます。本来ならこのアイコンを右クリックすることで、メニューが表示され、アプリケーション本体を表示させて状況を確認したり、キャンセルしたりできるはずなのですが、右クリックをしても反応しません。20秒位待つとメニューが出てくることもありますが、そのままフリーズし、応答していませんとWindowsのメッセージが表示されることもあります。フリーズしているようになっても、バックアップ自体は動作しているようですが、アプリケーション本体の起動がその間できなくなるのでかなり不便です。
スケジュール
スケジュールの設定はバックアップ定義作成時にSchedule Offをクリックするか、Homeタブに表示されているAdvancedメニュー中にある、Schedule backupをクリックすることで設定できます。
スケジュールにはそれぞれDaily、Weekly、Monthlyのタブがあり、OKを押した時に開いているタブの設定が反映されるようになっています。
Daily
Run once only at指定した時間にバックアップを開始、1回だけの処理。
Run once every day at
毎日指定した時間にバックアップを開始。
Intervals
毎日Start time から Finish timeまでの間、run it for everyに指定した時間毎にバックアップを開始。
weekly
毎週choose daysで指定した曜日のTime settingsの時間にバックアップを開始。Monthly
毎月、指定週の指定曜日の指定時間にバックアップを開始。毎月、指定日の指定時間にバックアップを開始。
Advanced settings
Advanced settingsの下矢印をクリックすると、バックアップの種類の設定、タスクスケジューラを使うかどうかの設定が出来ます。増分バックアップ、差分バックアップは初回のバックアップ時にはフルバックアップが作成されるようになっています(詳細)。
タスクスケジューラーを使用しない場合、更にRun missed backup at the next system startup.の項目が表示され、スケジュール実行時間にバックアップできなかった場合、次回のシステム起動時にバックアップを開始するかの設定が可能です。
また、バックアップ定義作成時にスケジュールを作成した場合、Start Backupボタンを押すと、即座に1回目のバックアップを作成するか、スケジュールの登録を行うだけにするかの選択が表示されます。
Only add the scheduleを選択すると、その場ではバックアップは作成されず、スケジュールに設定した時間に開始されます。
スケジュールを設定している定義は、Homeタブでの表示にSchedule backupのチェックボックスが表示され、チェックを外すとスケジュールを一時的に解除することができます。
ここのAdvancedメニューからSchedule backupに入ると、スケジュールの変更が可能です。
ViewタブのDo not scheduleボタンを押すとスケジュールの削除、他のタブでOKを押すとそのタブでのスケジュールが有効となります。スケジュールを変更してもViewタブでOKを押した場合反映されないので注意が必要です。
また、ここでスケジュールを変更しても、HomeタブでのNext run:の表記が更新されないようです。
タスクスケジューラーを使うのか使わないか
個人的にはタスクスケジューラーを使うほうが便利ではないかと思います。以下のように設定すると、
タスクスケジューラーにはこのように登録されています。
逆にタスクスケジューラの設定を変更すれば、AOMEI Backupperから設定できないログオン時にバックアップを開始するなども可能です(設定以降AOMEI Backupperからのスケジュールオンオフ、変更をしない前提で)。
因みにタスクスケジューラーなら時間きっかりで動作しますが、タスクスケジューラーを使用しないといくらか(15秒程度?)遅れて動作するようです。
ブータブルメディアについて
ブータブルメディアはUtilitiesタブのCreate Bootable Mediaから作成します。Windows PE版とLinux版が選択できますが、Windows PE版が自由度が高いので通常はこちらを選択するほうがいいでしょう。
光学メディアやUSBに書き込んで、起動させるとWindows上とほぼ変わらないAOMEI Backupperが起動します。もしHomeタブやRestoreタブに保存してあるバックアップが表示されない場合は、ドライブレターが保存時のものと変わっている可能性があるので、直接Pathボタンからバックアップファイルを指定します(バックアップは表示されるが、クリックすると見つからないエラーも同様)。
因みにLinux版はこんな感じです。RestoreとCloneしか選べません。
ドライブのボリュームラベルも文字化けしています。
バックアップファイルの内容確認
UtilitiesタブのExplore Imageを使ってファイルの中身を確認することができます。クリックすると、バックアップファイルの選択になるのでそれを指定し、
仮想ドライブへマウントするので、対象となるドライブレターを指定します。
Nextを押して処理が進むと仮想ドライブがマウントされ、リードオンリーとしてアクセスできるようになっています。
もう一度、UtilitiesタブのExplore Imageをクリックすると、マウントした仮想ドライブを解除することが出来ます。
解除したいドライブレターにチェックを入れ、Detachを押すと解除されます。この画面でExploreを押すと最初のバックアップファイル選択画面に移行します。
バックアップファイルが、ファイル・フォルダのバックアップの場合、仮想ドライブにマウントされるのではなく、指定フォルダにファイルが書き出されます。
バックアップファイルを指定する手順の後、書き出したいファイルにチェックを入れ、Save ASをクリックすると、ファイルダイアログが出て、指定のフォルダに書き出されます。
おまけ
インストールしたフォルダのlangフォルダ内にen.txtファイルがあります。これが言語ファイルなので、この中身を適当に変えると簡単に日本語化出来そうです(文字幅等の問題は残りますが…)。単語だけを置き換えるのはあまり意味がなさそうですが、警告メッセージなどを変えておくと便利かもしれません。
少し変えてみるとこんな感じです。
また、フォルダバックアップのFile Inclusion Mask、File Exclusion Mask、Folder Exclusion Maskに入力した文字列もインストールフォルダのFileInclusionMask.txt、FileExclusionMask.txt、FolderExclusionMask.txtに、単純なテキストファイルとして保存されているので直接編集も可能です。
このAOMEI Backupper Standardは世代管理機能がなく(有料版ではあるようですが)、スケジュールを組んだ場合ディスクの容量が無くなるまでバックアップが増えていくので、適当なところで手動で整理する必要があります。
これを別のソフトを利用してバックアップが増えてきたら、古いものを削除するような仕組みにしておけば放置しておけるものになるかも知れません(適切なソフトは今はちょっと思い浮かびませんが…)。
※
最初はEaseUS Todo Backup Free 6.5が良いかなと思って色々試したのですが、どうも登録されるサービスの"EaseUS Agent"が終了できないらしく、シャットダウン時イベントビューアに、毎回「以前のシステム シャットダウン は予期されていませんでした。」(ID=6008)が記録されてしまいます。
無害らしいのですが、精神衛生上良くないので代わりを探したところ、このソフトに行き着きました。
まぁこちらも動作が怪しいところはあるのですが、取り敢えずエラーは出ないので良いかなと(今後のバージョンアップでまた状況は変わりそうですが)。