2014/07/23

AOMEI Backupper Standard 2.0.1 の使い方(1)

AOMEI Backupper Standard はWindows上からのシステムバックアップ可能な、フリーで高機能なバックアップツールです。
バックアップ項目を大まかに挙げると、

  • システムバックアップ
  • ディスクバックアップ
  • ファイルバックアップ
  • パーティションバックアップ
  • クローン

があり、バックアップ時の圧縮率の変更、スケジュール、増分・差分バックアップも可能で、フリーではなかなか見られない大盤振る舞いな機能となっています(他のフリーなバックアップソフトだと、スケジュールや、増分・差分バックアップ等が制限されていることが多いです)。

項目が多いので全ての操作方法の解説にはなっていませんが、おおよその使い方は分かるのではないかと思います。

インストール

まずは、公式サイトからインストーラーをダウンロードしてきます。
AOMEI Backupper Standard 2.0.1とAOMEI Backupper Standard For Win7 2.0.1がありますが、AOMEI Backupper Standard 2.0.1の方をダウンロードします。Download From CNETのリンク先かその下に書いてあるLocal Downloadからダウンロードできます。

バックアップ

どのバックアップもまず定義を作成することから始めます。このソフトではこの定義のことをタスクと呼んでいるようです。
Backupタブのメニューをクリックすることでバックアップ定義の作成が始まります。

システムバックアップ

システムバックアップは、OSに関するパーティションをまとめてバックアップできます。

まずBackupタブのSystem Backupをクリックします。
 

バックアップのタスク名をTask Nameの欄に入力します。 この名前のフォルダがバックアップ先フォルダ内に作成され、バックアップファイル名にも使われます。 画像ではWindows7で実行しているので、ブートフォルダがあるシステムパーティション(システムで予約済み)と、OSが入っているブートパーティション(C:)がバックアップ対象になっています。

Setp2をクリックして、バックアップの保存先を指定します。ここで指定した保存先の中に更にタスク名フォルダが作られて、その中にバックアップファイルが保存されます。

ここでスケジュールを作成したり、バックアップの設定(圧縮率等)も変更できます(スケジュール詳細はこちら。設定詳細はこちら)。
取り敢えずここではそのままStart Backupへ。バックアップが開始されます。

バックアップ中にCheck the backupにチェックを入れると、バックアップ完了後にデータのチェックを行い(それなりに時間もかかります)、Shut Down~にチェックを入れるとバックアップ完了後に電源をオフにすることができます。


完了するとHomeタブに作成したバックアップ定義が表示されています。
この画面のAdvancedのメニューから、作成したバックアップ設定の変更、スケジュールの変更、バックアップ定義の削除等が行えるようになっています。スケジュールの登録だけして、バックアップを作成していない時には、Advancedメニューは削除とスケジュール変更しか表示されません。

Backupには、手動でバックアップするメニューがあり、クリックするとフルバックアップ、増分バックアップ(Incremental Backup)、差分バックアップ(Differential Backup)が表示され、クリックするとコメント入力画面の後にバックアップを開始します。

バックアップの種類について

フルバックアップ…バックアップ対象のデータを全てバックアップ。(サイズ大)
増分バックアップ…前回のバックアップデータからの変更点のみバックアップ。(サイズ小)
差分バックアップ…前回のフルバックアップデータからの変更点のみバックアップ。(サイズ中)

増分・差分バックアップは必ず元になるフルバックアップデータが必要となり、更に増分バックアップはフルバックアップから続く増分バックアップデータが全て必要になります。
また、増分・差分バックアップを実行した時に、間近のフルバックアップデータが保存フォルダ内に無い場合、最初はフルバックアップデータが作成されます。

例として10回、以下のようにバックアップを取ったとします。
1回目 2回目 3回目 4回目 5回目 6回目 7回目 8回目 9回目 10回目
フル 増分 フル フル 増分 フル 差分 増分 増分 差分

この状態で1回目のバックアップデータを削除した場合、2回目のバックアップ時の状態に戻すことができなくなります。
3回目を削除した場合は、他には影響なしで、5回目は4回目の、7回目から10回目は6回目のフルバックアップデータが必要です。
そして、8回目を削除すると9回目の状態に戻すことはできなくなりますが、7回目を削除しても10回目の状態に戻すことは可能です。

バックアップデータはタスク名+番号.adi(もしくはafi)となっていますが、ファイル名を変更しても大丈夫のようで、1回目のフルバックアップがAAA1.adiというファイル名だった場合、2回目の増分バックアップ後にBBB100.adiとファイル名を変更しても2回目の元になるフルバックアップとして認識してくれます。

どうやら、フォルダ内のバックアップファイルを検査して繋がりを判断しているみたいです。

ファイルバックアップ

ファイルバックアップでは個別ファイルやフォルダ指定でバックアップが作成できます。

タスク名と保存先を決める部分はシステムバックアップと同様の手順です。
バックアップしたいファイルを追加する場合は、Add Fileを押してファイルダイアログを出します(SHIFTキーを押しながらで範囲指定、CTRLキーを押しながらで複数個別指定が可能です)。

フォルダを指定したい場合は、Add Folderをクリック。すると以下のウィンドウが出ます。

Browseを押してバックアップしたいフォルダを指定(ここでの複数指定は不可)。サブフォルダもバックアップに含みたい場合はInclude subfoldersにチェック。また、Filter settingsの下矢印をクリックすると、更に詳細にバックアップ対象を指定できます。

File Inclusion Maskにはバックアップしたいファイルを指定します。デフォルトではBackup all filesとなっていて全ファイルを対象にしていますが、*(ワイルドカード)を使って対象ファイルを指定でき、;(セミコロン)で区切って複数指定が可能です。三角ボタンを押すと*.doc;*.xls;*.pptが初期登録されているのが見えます。

ここへ書き込んだ後、エンターキーを押すとプルダウンメニューに追加され、Clear all itemで、登録した項目を全て消去できます。

※どうもプルダウンメニューに追加されただけだと、項目が保存されないようで、一度その項目を選択状態でOKとしてウィンドウを抜けると、項目が保存されるみたいです。

File Exclusion Maskは除外するファイルを指定します。
初期値としてどのファイルも除外しないNo files need to be excludedが設定されていますが、これも同様の方法でバックアップから除外したいファイルを指定でき、サブフォルダを含む場合には、Folder Exclusion Maskで除外したいフォルダも指定可能です。

Exclude hidden files and foldersにチェックを入れると隠しファイル・フォルダがバックアップから除外され、Exclude system files and foldersにチェックを入れるとシステムファイル・フォルダがバックアップから除外される設定になります。

バックアップ対象のファイル・フォルダを設定した後、Start Backupを押せばシステムバックアップと同様に処理が進み、Homeタブにバックアップ定義が追加されています。

ディスクバックアップとパーティションバックアップ

手順はどちらともほぼ同じで、Task Nameにタスク名、Step1でバックアップ元、Step2でバックアップ先を設定してStart Backupでバックアップ開始。特別ややこしい部分はなくGUIに従って行けば問題なく進むかと思います。

両機能の違いといえば、ディスクバックアップはバックアップ元がディスク単位、パーティションバックアップはパーティション単位で選択する、くらいでしょうか。



復元

復元はバックアップデータの内容に応じて臨機応変に行えるようです。

例えばディスクバックアップで作成したデータは、ディスクの復元しか行えないということはなく、その中のパーティションだけ選んでパーティションの復元としても実行可能となっています。

共通の手順

Restoreタブに移動すると、バックアップ定義の名前が表示されます。ここで、復元したい名前を選んでNextボタンを押すか、あるいはPathボタンを押してバックアップファイルを直接指定します(System Recoveryにチェックを入れるとシステムバックアップのみ表示されます)。

※Pathボタンは、ブータブルメディアからAOMEI Backupperを実行しているとドライブレターが変わっていることがあり、バックアップ保存フォルダの場所も変わってしまうことがあります。
そんな場合に直接バックアップファイルを指定するのに役立ちます。

定義名を選んだ場合も、ファイルを直接指定した場合も、そのフォルダ内を自動的に検索してバックアップファイルを表示します。バックアップファイルを選択しても、そのバックアップファイルを復元するわけではありません。

ここには元となるフルバックアップがない等の、不完全な差分・増分バックアップファイルは表示されないので、不完全なバックアップファイルを指定することは出来ないようになっています。

復元したいバックアップを選択し、進めていくのが共通の手順となっています。

システムの復元

システムバックアップで作成したバックアップの定義名を指定すると、このようなメッセージが表示されます。
Yesを選択するとシステムの復元として処理を行い、Noを選択するとパーティションの復元として実行されます。


バックアップを選択する画面でRestore system to other locationにチェックを入れると、バックアップ元とは異なるパーティションに復元することができますが、指定できるパーティションは1つです。また何故かは良く分かりませんが、Windows7の場合少し大きめのサイズが必要のようです。
元のドライブのサイズは60GBですが、復元先は60.13GB必要と表示されています。

またXPの場合は、サイズが小さいパーティションでもファイル使用量が収まるサイズなら復元可能で、パーティションのエディットもできるようですが、なぜかXP上からの他パーティションへのシステム復元はエラーが出てしまいました。
ブータブルメディアから起動して実行すると、エラーは出ずに正常終了しましたが、環境によるものなのかどうかは良く分かりません。

Restore system to other locationにチェックを入れずに進めると、元のパーティションに復元されます。
こちらは元のパーティションに上書きなので、サイズの変化等はなく、Windows7の場合2つのパーティションを一度に復元します。

Windows上からの復元をしている場合このようなメッセージが表示されます。 Yesで進めると、システム復元時の途中で再起動が掛かり、Windows起動前にAOMEI Backupperが立ち上がって処理が進みます。

パーティションの復元

復元したいバックアップファイルを指定すると、バックアップファイル内のどのパーティションを復元するかの画面になります。
バックアップはひとつの定義で複数のパーティションをバックアップできますが、復元は1つずつしか行えないようです。

復元もとを決定すると、復元先の選択になります。復元先にパーティションのない空き部分は選択できません。

復元先のデータは上書きされてしまうので、このような警告が出ます。Yesで続行すると、

確認画面が表示されます。ここでは確認の他に、パーティションのエディット、アライメント調整の有効無効を変更できます。

パーティションのエディットは、復元先のパーティションのサイズ、位置、プライマリパーティション・論理パーティションの選択、ドライブレターの変更まで行えます。ボリュームラベルは”Copy of D”のような感じで自動的に付けられ、変更は出来ないようです。

OKとして、確認の画面に戻り、Start Restoreで復元が開始されます。

ディスクの復元

パーティションの復元と同様に、バックアップファイル内の復元したいディスクを選択します。

Partをクリックすると、バックアップしている全てのパーティションが表示され、パーティションの復元として操作することも可能です。

ディスクの復元として進めた場合、復元するディスクを選択後、パーティションの復元と同様に上書きに対するメッセージが表示されます。

Yesで進めると確認画面が表示され、パーティションエディットとアライメント調整の設定が行えるのもパーティションの復元と同様です。

パーティションエディットの内容は少し異なり、バックアップのパーティションのまま、空き部分をなくすように調節する、各パーティションの個別変更の3項目から選べるようになっています。

後は確認画面のStart Restoreを押すと復元が開始されます。

長くなってきたので次へ続きます。
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